世界の4億2200万人が糖尿病で、そのほとんどがⅡ型糖尿病です。Ⅱ型糖尿病は治療が可能とはいえ、とにかく重要なのは予防です。Ⅱ型糖尿病と診断された人々の多くは肥満や過体重で、食生活の見直しが必要です。
より多くの野菜を摂取したり、炭水化物や特に糖分を減らすことで、Ⅱ型糖尿病を管理することができます。さらに日常生活でより体を動かすことで、血糖値が下がり、A1Cの低下につながります。A1Cは、過去2~3カ月間の血糖値の平均値です。
保険会社にとって、Ⅱ型糖尿病患者はコストのかかる母集団です。心臓や血管障害、神経や腎臓への負担、視力の低下、聴力障害などの合併症や、回復に時間を要するなど、この疾病の治療には多額のコストがかかります。 世界規模で行われた糖尿病の調査によれば、糖尿病にかかるコストは世界全体で年間8250億ドルとなっています。
しかしライフスタイルを変えること、特に食事制限とエクササイズに重点を置くことで、状況は改善できます。
保険会社は何ができるのか?
教育と予防は、Ⅱ型糖尿病にならないための鍵です。ある保険会社は多額のリソースを予防に当てる計画をしています。予防のための啓蒙活動をすることで、コストのかかる症状や合併症が抑えられると判明したからです。保険契約者に、どうなりたいか、どんな変化が日々の生活に好影響をもたらすのかを教えることが肝心です。 デジタルヘルスエンゲージメントプラットフォーム(DHEP)やシンプルな予防キャンペーンは、保険契約者の助けとなります。以下がお勧めのガイドラインです。
- 炭水化物の摂取を減らすこと. DHEPは保険契約者の栄養摂取をトラッキングします。AIを使ったデジタルコーチングは、特に糖分や炭水化物を制限させ、健康的な食習慣を取り入れるよう促します。
- もっと体を動かすこと. 専門家によれば、一日一万歩が推奨されています。多すぎるように感じますが、地道な努力は成果につながります。デジタルヘルスアプリは、ゲームやSNSを通じて、保険契約者が前向きでいられるよう励まします。このアプリは最高のプラットフォームであり、特徴であるアプリ内チャレンジは、ユーザーのやる気を持続させます。
- 心拍数を上げること. 体を動かすことが習慣になったら、次は心拍数を上げていきます。デジタルヘルスがユーザーの積極性持続の一助であることが証明されています。心拍数の上昇は、次第に心血管の改善や代謝量アップをもたらします。すなわち、血糖値を抑え、またその持続という結果につながるのです。
もう一つの大事な点は、足の健康です。保険会社は、毎年、糖尿病患者のスクリーニング検査で、足、特につま先をチェックしたり、足の健康に関する教育を行います。足やつま先への神経障害はⅡ型糖尿病の一般的な合併症です。別の合併症である低血圧と連動すると、神経障害により足に潰瘍や痛みをもたらします。これらに気づくことなく治療もしなければ、取り返しのつかない障害を負うかもしれません。普段と違うことがあれば、それに気づき、医師の診断を受けることが重要です。
デジタルヘルスエンゲージメントプラットフォームを導入すれば、保険契約者がすでに糖尿病であっても健康維持に役立ちます。さらにⅡ型糖尿病の保険契約者に、上記のヒントをEメールや電話でお知らせするだけでも、顧客の信頼アップにつながり、コストが抑えられ、何よりも契約者の健康維持という究極の目標を達成できます。
保険会社はさらに、Ⅱ型糖尿病のリスクがある契約者をトリアージできる方法を考慮する必要があります。そしてその契約者に適切で必要な予防ケアを促すのです。DHEPは、そのお手伝いをします。
私たちは来週、世界糖尿病デーの一環としてレポートを発行します。その内容は、ステークホルダーのエコノミーや、保険会社の今、そしてプロダクトオファリングにあたって、さらに健康とウェルビーイングに重きを置いた提案の必要性についてです。