苦難の2020年が終わりました。そして迎えた2021年、希望とチャンスの新たな風が吹いています。
将来の明るい兆しとなるであろう期待の下、Covid-19ワクチンは世界中の人々、ヘルスケアシステム、経済に安心感をもたらしました。しかし、Covid-19が引き起こした変化に生命保険会社や健康保険会社はどう対応するか?という問いも同時に投げかけています。この先、保険会社は前進できるのか?前進できるとすれば、そこから成功へと導くものは何か?
生命保険会社や健康保険会社に関して予測される主なトレンドを調査しました。それほど遠くない将来の成功について、私たちの専門チームの見解をご紹介します。
ウェルネスを重要視:パンデミックの影響

Covid-19が世界を揺さぶった結果、保険会社はいわゆる“顧客の健康”という観点から予防の重要さを実感しました。また、顧客が大切にすることのトップに“健康とウェルビーイング”が躍り出ました。
そこで保険会社は、デジタル化された健康やウェルネスに関する数々のプロダクトやサービスを活用して、医療保険や生命保険を強化しています
デジタルヘルス・エコシステムで素早く存在感を勝ち得た生命保険会社は、ライバルを大きく引き離して高評価を受けています。
言うまでもなく、デジタルヘルスサービスを導入することは顧客とのエンゲージメント(これは保険会社の協力が必要です)を強化できるだけでなく、顧客により健康的なライフスタイルをもたらします。健康をトータルで考えるデジタルヘルス・エンゲージメントプラットフォーム(DHEPs)を活用することは、ライフスタイルに起因する疾病の予防につながります。その疾病の一例は、世界的に死亡原因・健康被害原因のトップである非感染性疾患(NCDs)です。DHEPsが不健康なライフスタイルをどのように改善へと導くのか、こちらをご一読ください。
さらにパンデミックにより、パラメトリック保険(設定したパラメーターに起因する事項が発生した際に給付金を支払う保険)といったプロダクトが広がりつつあります。つまり将来に起こり得るパンデミックやウイルスの流行は、容易に担保することができるでしょう。
デジタル化を優先するためのリソース再配置

デロイト社のレポートから、世界中の生命保険会社がデジタル化を加速するためにリソースを再配置しようと、かつてないほど経費管理を徹底していることが分かります。
生命保険会社は単にコスト削減をするのではなく、Covid-19パンデミックから立ち直ること・デジタル化へと変容することを目的に、優先事項を変え、根幹業務以外を見送っています。
ご覧のように生命保険会社のプライオリティは地域によってさまざまです。商品開発で言えば、北米とヨーロッパはパラメトリック保険にシフトしています。それは特定の事項に起因する経済損失をカバーできるからです。アジア太平洋地域はリアルタイムのモニタリングを使った従量制の保険に注目しています。PAYLのようなカスタマイズされた保険商品をどのように広めていくか、私たちは以前からお伝えしてきました。ですからこの傾向は実に興味深いと言えます。
アンダーライティング業務を改善すべきという意見は、生命保険会社の総意のようです。最終的なゴールはAIやオルタナティブデータ、より高度で先を見越せるモデルを上手く活用し、アンダーライティング業務を拡張させることです。これは私たちが強く信じていたコンセプトそのもので、保険会社が罹患率や死亡率をリアルタイムに計算できる、AIを活用したリスクエンジンを開発したのもそれが理由です。
システムの再始動:デジタルツイン

健康やウェルビーイングのサービスを付加価値として保険商品に加味することと共に、Extended Reality(XR)や、デジタルツイン(現実世界における物体や人のデジタルレプリカ)という新たな波を避けて通ることはできないでしょう。Extended Realityはご承知の拡張現実(AR)や仮想現実(VR)、複合現実(MR)の総称で、さらなる進化が続いています。
間もなく訪れるヘルスケアのデジタルツインは、生命保険業界にとって特筆すべきARの一つでしょう。私たちは、かつてエンジニアリングとIoTの最適化に活用されていたこのテクノロジーで、自分の健康やウェルビーイングのためにユーザーが自分でデジタルレプリカを作れるようになると信じています。
ライフスタイルに応じた将来の健康状態を、デジタルツインを活用してシミュレーションできるでしょう
スマートフォンや3Dの世界におけるライフスタイルナビゲーションの発展を、 Wheel of LifeTM のようなデジタルヘルス・エンゲージメントプラットフォームが牽引するのは当然のことでしょう。私たちのデジタルツインで、ライフスタイルの影響を受けた自分の将来の健康を予測をすることができます。アナログとデジタル両方の世界の利点を活かして具体的なレプリカを作成し、幅広いアンダーライティングモデルや特定のケースを分析することが出来ます。医師がデジタルツインにアクセスすれば、患者が対面でカウンセリングを受ける機会が減るかもしれません。
対面のカウンセリングはCovid-19の影響で広く敬遠され、この傾向は今後も残ると考えています。幅広いプロダクトやサービスの利点を自宅など快適な場所(その他好きな場所)から活用することは顧客にとって便利なだけでなく、保険会社にとっても効率的でコストの負担も軽減されます。ですから今後も仮想のカウンセリングが支持され、骨の折れる作業はデジタルレプリカに任せる、といった状況が続くと思っています。
面白いアイデアを引き出すような、考えさせられるブログだった…と思っていただけたらうれしいです。2021年以降の生命保険業界のトレンドについて、今後も話していきたいです。もっと議論を深めたい、または私たちのプロダクトへの質問がございましたら、ぜひご連絡ください。
2021年が皆さまにとって素敵な年となりますように。
dacadooチーム