優れた小売企業は、単に商品を販売するだけでなく、体験をキュレーションし、関係を育み、顧客の生活の一部となります。消費者がブランドにより多くを求めるようになり、差別化が難しくなる中、小売企業は変化する期待に応えるため、エンゲージメント戦略を適応させていいます。本ブログでは、先進的な小売企業がブランド体験を向上させ、コミュニティを構築し、顧客エンゲージメントとビジネス成長の両方を促進するために用いている7つのアプローチを紹介します。
要点
- あらゆるタッチポイントにおいて、オーダーメイドで真に思いやりのある体験が、エンゲージメントとロイヤルティを高めます。
- AIやアプリなどのテクノロジーを活用することで、顧客が夢中になる便利なリテール体験を生み出すことができます。
- 顧客同士の間に楽しさと信頼感を創出することで、長期的なエンゲージメントとブランド支持を促進できます。
小売業における顧客エンゲージメントを向上させる7つの方法
1.顧客体験をパーソナライズ
データ主導型小売の時代において、パーソナライゼーションは「あったらいいな」から「なくてはならない」ものへと変化しています。マッキンゼーのレポートによると、78％の消費者は、パーソナライズされた企業との関係を継続し、再度購入する可能性が高いとされています。
しかし、どのように実現すればよいのでしょうか？顧客の年齢層、購買履歴、嗜好に基づいて顧客をグループ化し、ターゲットを絞ったマーケティングメッセージやオファーを配信しましょう。データを分析し、オンラインでも店舗でも、個々の顧客の嗜好や過去の行動に沿った商品を提案します。顧客の名前を使い、関心や過去のやり取りを反映した、パーソナライズされたEメール、SMS、通知を送信することで、より親しみやすく、効果的なコミュニケーションを図ることができます。
2.テクノロジーの活用
テクノロジーを取り入れて、魅力的で便利なショッピング体験を提供しましょう。AIを搭載したチャットボットをウェブサイトやソーシャルメディアに導入し、カスタマーサポートやパーソナライズされたおすすめ商品を即座に提供します。拡張現実（AR）を使って、顧客がバーチャルで商品を試着したり、商品が自分のスペースでどのように見えるかを確認できるようにすることも効果的です。
モバイル・アプリを開発し、パーソナライズされたショッピング体験、ロイヤリティ・プログラムのトラッキング、限定オファーなどの機能を提供しましょう。dacadoo DHEPを統合し、健康とウェルネス関連のエンゲージメント機能を追加することで、個人のウェルビーイングに対する消費者の関心の高まりを取り込むことが可能になります。
3.コミュニティの構築
長期的なエンゲージメントを促進するために、顧客の帰属意識を育むことが重要です。ソーシャルメディア上で、コメントへの返信、Q&Aセッションの開催、ユーザー生成コンテンツの共有などを通じて、顧客と積極的に関わりましょう。顧客が製品について議論したり、体験を共有したり、ブランドの他のファンとつながったりできるオンラインフォーラムやグループを提供してください。レビューを書く、アンケートに参加する、イベントに参加するなどの活動を通じて、顧客にブランドとの関わりを促しましょう。
4.コンテンツ・マーケティングの活用
Deloitteのレポートによると、ブランドを信頼する顧客は、88％以上再度購入する可能性が高いといわれています。 視聴者の共感を呼び、信頼感を醸成する価値あるコンテンツを作成することが重要です。ブログ、動画、チュートリアルなど、顧客が製品について十分な情報を得た上で意思決定できるような教育的コンテンツを開発しましょう。マーケティングキャンペーンでストーリーテリングを活用し、ブランドのミッションや価値観、サクセスストーリーを共有することで、顧客と感情的につながることができます。さらに、ウェブサイトやソーシャルメディアで、ユーザー生成コンテンツを積極的にフィーチャーすることで、信頼感とエンゲージメントを高めましょう。
5.ロイヤリティ・プログラムの実施
顧客エンゲージメント、顧客維持、顧客獲得を向上させるために、競争力のあるロイヤルティプログラムとリワードプログラムを設計しまましょう。顧客が購入ごとにポイントを獲得できるようにし、割引、ギフト、限定体験と交換できるようにします。段階的なロイヤリティ・レベルを設定し、顧客がより多く買い物をしたり、ブランドとの関わりが深まるにつれて、より価値の高い特典や限定特典を提供してください。新製品への早期アクセス、イベントへの招待、パーソナライズされたショッピング体験など、割引以上の体験型特典を含めて、特別な体験を提供します。
6.限定体験を提供
ブランドを際立たせる、楽しくて記憶に残る体験を作りましょう。アクセンチュアのレポートによると、ショッピングを楽しんだ消費者の76％が、そのブランドを他の人に勧めるといわれています。
プライベートショッピングイベント、商品プレビュー、ブランドアンバサダーとの交流会など、上得意客のための特別VIPイベントを開催することが有効です。ロイヤルカスタマーは、セールや新商品の発売、限定商品などにいち早くアクセスできる機会を提供されると、大切にされていると感じます。店頭またはバーチャルで、パーソナルなスタイリング・アドバイス付きの1対1のショッピング・アポイントメントを提供しましょう。
7.継続的なイノベーション
常に時代の先端を行くことで、顧客のブランドへの関心を高め、ワクワクさせ続けましょう。定期的に新製品、限定品、季節のコレクションを発表したり、業界のトレンドや顧客の嗜好をモニターし、常に時代の先端を行くことで、現在の需要に合った商品を提供します。
他のブランドと提携し、顧客を魅了し惹きつけるユニークな商品や体験を作りあげてください。プラットフォーム dacadooなどのプラットフォームは、貴社のデジタル・スイートに価値あるツールを追加する力を提供します。健康＆ウェルネスのゲーミフィケーション機能を使えば、楽しくインタラクティブな方法で顧客を惹きつけ、ロイヤルティとウェルビーイングの両方を促進することができます。
成功事例とケーススタディ
スターバックス: 革新的なロイヤルティプログラムがエンゲージメントを促進
スターバックスジャパンは、「Starbucks Rewards」プロブラムとアプリを活用し、顧客エンゲージメントを向上させています。アプリでは、モバイルオーダー＆ペイや、キャッシュレス決済が可能で、便利な体験を提供しています。パーソナライズされた商品提案や限定キャンペーン、ゲーミフィケーション要素も取り入れ、顧客のリピート購入を促進しています。また、会員限定の「ビバレッジ先行販売」や、「OneMoreCoffee」特典、誕生日のサプライズギフトなど、顧客に特別感を与える施策も実施しています。リワードメンバーはスターバックス全体の売り上げの約53％を占めており、プログラムのメンバーは非メンバーよりも3倍頻繁に店舗を訪れています。
Glossier: パーソナルな体験が顧客エンゲージメントと共創を促進
美容ブランドのGlossierは、ソーシャルメディアを活用し、エンゲージメントの高い顧客コミュニティの形成に成功しています。同ブランドの戦略は、顧客が個人的な体験を共有することを奨励し、それによって学習、支持、製品共同開発を促進しています。Glossierのアプローチは、インスタグラム、フェイスブック、「Into the Gloss」ブログなどのプラットフォームにおける、本物のユーザー生成コンテンツに焦点を当てています。同ブランドは、顧客が製品体験を共有し、質問し、フィードバックを提供することを積極的に奨励しています。その結果、Glossierはカルト的な支持を集める美容ブランドとなりました。ある調査では、美容製品に最高1,000ドルを費やした参加者は、6ヶ月間でそのうちの最高300ドルをGlossier製品に費やしたことが明らかになりました。そして、全体として、ほとんどの参加者（76.92%）がGlossierをお気に入りの美容ブランドのひとつに挙げました。
Duolingo: テクノロジー革新がグローバルなエンゲージメントを促進
語学学習アプリのDuolingoは、人工知能の革新的な活用、クラウドソーシング、ユニークな語学コースの提供を通じて、語学学習に革命をもたらしました。Duolingoは、各言語の3,000の一般的な単語のデータベースからレッスンを生成するアルゴリズムを使用し、迅速なコース開発とパーソナライズを可能にしています。同社はまた、ハワイ語やナバホ語のようなオプションや、「ゲーム・オブ・スローンズ」に登場するハイ・ヴァリリア語のような架空の言語を含む36の言語コースを提供しています。その結果、Duolingoの月間アクティブユーザー数は約3,000万人に達し、収益も2018年の3,600万ドルから2019年には8,600万ドルに増加しました。
dacadooで小売業の顧客エンゲージメント向上
dacadooで小売戦略を強化し、より深い顧客との関係を育みましょう。健康やウェルネスへの取り組みをブランド体験に取り入れることで、顧客に響く独自の価値提案を行うことができます。dacadoo革新的なプラットフォームにより、飽和状態の市場においてブランドを差別化し、よりパーソナルなレベルで顧客と関わり、リピート来店とロイヤルティの向上を促進することができます。
デモをご予約の上、当社のエンゲージメント・ツールとヘルス・ドリブン・インサイトを活用して、小売戦略をどのように変革できるかをご検討ください。
